借金返済は和解提案を受けてから解決した方が良いの?

借金返済は和解提案を受けてから解決した方が良いの?

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2018.09.11

和解提案について

和解提案書とは

借金の返済が遅れる度に督促状が届き、毎回催促されることになります。その催促があり一定期間にわたり無視し続けると、金融業者から「和解提案書」が届く場合があります。和解提案書というのは、キャッシングやカードローンなどの借金を長期にわたって滞納している債務者宛に、消費者金融をはじめとした金融業者から送付されてくる書類のことです。

借金を長期にわたり延滞すると、遅延損害金が発生しますので、借金はどんどん膨れ上がっていきます。金融業者としては債務者に1円でも多く返済して欲しいため、借金の減額をする代わりに、返済の意思を示してほしい、という内容の提案書を送付します。

金融業者としても債権回収ができないことは、デメリットでしかありません。1回の督促にも費用が掛かっています。将来的なことを考えると、減額してでも回収した方が、コストを最小限に抑えられますし、貸し倒れを防ぐことができるという理由があります。

和解案の具体的な内容

では、この和解提案書には、実際どのような内容が書かれているのでしょうか。例えば、消費者金融からの和解提案書には、大幅に借金を減額する提案をしたいので、一度連絡してほしいという文章が多いです。他にも、一度ご相談頂ければ、現在の収入に合わせた返済プランを提案しますという内容もあります。一括返済で利息を全額免除することもできる旨の内容などさまざまです。

和解提案はどう対応すべきか

時効の援用

以上のような和解提案書が金融業者から届くと、一見良さそうな内容が書かれていますので、返事がしたくなるかもしれません。借りたお金はしっかりと返したい場合は、このまま応じることも良いでしょう。今後お金を借りるときがきても、貸し倒れていないので、印象が大きく違うことでしょう。

現状で返済が全く見込めない場合、時効援用を活用できる可能性がありますので、一度考えてみましょう。借金をしてから一定期間返済をしなければ、借金が消滅する時効が存在します。

その時効を迎えることができたなら、消費者金融などの債権者は、債務者に対しての債権が消滅することになります。すると、債権者は完全に債権放棄となり、いわゆる貸し倒れとなります。

このことから、和解提案書というのは、時効を迎えるまでに返済して欲しいという意図が読み取ることができます。しかし、もう一つ重要な点があります。この時効というのは、期限を延ばすことができます。それは、債権者が支払う意思を表明することで、期限が延びることになっています。これを「債務承認」と呼んでいます。

他にも時効中断のための手続きがあります。支払督促の申立など、裁判上の請求をすることや、仮差押え仮処分などを行なった場合も同様に時効が中断されることになるので、注意が必要です。

金融業者からの借入は、通常5年で時効となり、既に5年を経過している場合は、今まで上述したような時効の中断がなかったか確認するようにしましょう。もし時効を迎えている場合、このまま放置しても時効は成立しないので、時効の援用手続きが必要となります。弁護士などの専門家に相談するのが良いでしょう。法律に関しては、費用が掛かっても、専門家にお願いした方が賢明です。

減額手続きに応じる場合

時効を迎えるまで期間があり、減額してもらっても返済できる見込みがない場合、弁護士や司法書士など債務整理のプロに依頼するのが良いでしょう。債務整理を解決する手段は、任意整理や個人再生、自己破産などになります。任意整理は、借金の減額や利息制限法による利息計算をし直す交渉をすることにより、月々の返済額を相談します。

個人再生は、裁判所を通して、借金を減額し、分割払いなどを利用して返済していきます。財産をそのままにしながら、借金の整理をすることができる場合があります。自己破産は、裁判所を通して、借金の支払免除の手続きをすることで、財産などは没収となります。

今回、借金返済には時効があることが分かりました。和解提案書が届いたら、どのように対応していくべきか、この記事が参考になれば幸いです。書類内容をしっかり確認し、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

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